所有者が行方不明の不動産はどう売却する?失踪宣告の内容などを解説!

2023-06-27

所有者が行方不明の不動産はどう売却する?失踪宣告の内容などを解説!

この記事のハイライト
●行方不明者を法律上死亡したものとみなす制度を失踪宣告という
●行方不明者の不動産を売却するには失踪宣告確定後に相続登記が必要
●不在者財産管理人とは行方不明者に代わって財産の管理をおこなう方のことをいう

不動産の所有者が行方不明になり、処分にお困りの方はいらっしゃいませんか。
不動産売買は原則として所有者本人しかおこなえませんが、手続きを踏めば所有者以外でも売却することが可能です。
そこで今回は、所有者や共有名義人が行方不明になっている不動産の売却方法について解説します。
墨田区で不動産売却をご検討中の方は、ぜひ参考になさってください。

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所有者行方不明の不動産売却:失踪宣告とは

所有者行方不明の不動産売却:失踪宣告とは

土地や建物を所有している方が行方不明または失踪すると、原則としてほかの方が不動産を売ることはできません。
しかし、失踪宣告を受ける、もしくは不在者財産管理人を選任することで、代わりの方が売却できるようになります。
まずは、失踪宣告とはなにか、内容や申し立て方法について解説します。

失踪宣告とは?

失踪宣告とは、行方不明者を法律上死亡したものとみなす制度です。
失踪宣告を申し立てるには、まず失踪状況を明確にしなければなりません。
失踪状況には、以下2つの種類があります。

  • 普通失踪
  • 特別失踪(危難失踪)

それぞれの内容を順番に解説します。

普通失踪

普通失踪とは、いかなる事情に関わらず、行方不明者の生死が不明な場合に利用できる失踪宣告です。
個人が失踪してから生死が7年以上明らかでない場合、失踪宣告を申し立てることができます。
申し立てが認められると、失踪から7年が経過した日に死亡したものとみなされます。
特別失踪(危難失踪)
特別失踪とは、戦争や船舶事故、自然災害など災難に遭遇した方が生死不明の場合に利用できる失踪宣告です。
災害が去ってから1年間にわたって生死不明である場合に、特別失踪を申し立てることができます。

失踪宣告の申し立て方法

失踪宣告の申し立ては、行方不明者の住所地がある家庭裁判所でおこないます。
申し立てをおこなえるのは、配偶者や相続人など行方不明者と利害関係がある方です。
利害関係のない方からの申し立ては認められませんが、利害関係がある方に申し立てを委任することはできます。
失踪宣告の申し立てで必要になる書類は以下のとおりです。

  • 申立書
  • 行方不明者の戸籍附票
  • 行方不明者の戸籍謄本
  • 失踪を証明する資料
  • 戸籍謄本など申立人の利害関係を証明する資料

申し立て時には、収入印紙(800円分)と官報公告料(4,816円)のほか、連絡用の郵便切手代などが必要です。
郵便切手の金額は、申し立て先の家庭裁判所によって異なるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
申し立てが終わると、家庭裁判所によって書類の確認や聴き取り調査などがおこなわれます。
申し立てをしてから失踪宣告を受けるまでの期間は、6か月程度が目安です。

宣告を受けたら届け出が必要

失踪宣告が確定したら、行方不明者の本籍地もしくは申立人の所在地を管轄する役所に、失踪の届け出をしなければなりません。
失踪の届け出は、失踪宣告を受けてから10日以内と決まっているため、提出期限にご注意ください。
届け出の際は、家庭裁判所が交付する「審判書謄本」と「確定証明書」が必要です。
そのほかにも書類の提出を求められることがあるため、事前に役所に問い合わせておくと良いでしょう。
なお、失踪宣告を受けると、婚姻の解消や相続人からの除外、死亡保険金の請求などが認められるようになります。

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所有者行方不明の不動産売却:不動産の売却方法

所有者行方不明の不動産売却:不動産の売却方法

失踪届を出し終えただけでは、不動産を売却することはできません。
なぜなら、登記簿に記載された不動産の名義人が行方不明者のままになっているためです。
ここからは、不動産を売却するために必要な手続き方法について解説します。

相続登記をおこなう

失踪の届け出をしたら、法務局で相続登記(不動産の名義変更)の手続きが必要です。
相続登記をおこなうと、不動産は相続人のものとなるため、売却が可能になります。
相続登記の申請で必要な書類は、以下のとおりです。

  • 登記申請書
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や除籍謄本
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 相続人全員の住民票の写し
  • 委任状(代理人が申請する場合)

共同相続人がいる場合は、遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書も提出しなければなりません。
また、遺言書や固定資産評価証、相続関係説明図などの提出を求められることもあります。
提出書類に不備がなければ、法務局から登記完了証または登記識別情報通知書が届き、手続きは完了となります。

行方不明者が発見された場合

失踪宣告を申し立てたあとに、行方不明者が発見されることもあるでしょう。
このような場合は、失踪宣告の取り消しを申し立てることが可能です。
失踪宣告を取り消したときは、原則として宣告される前の状態に戻す必要があります。
たとえば、失踪宣告を受けたあとに、相続した土地を半分だけ売却したとしましょう。
もし売却後に行方不明者が発見され、失踪宣告を取消した場合、残りの土地は行方不明になっていた方に戻されます。
ただし、売却した部分の土地に関しては、返還する必要はありません。

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所有者行方不明の不動産売却:不在者財産管理人とは

所有者行方不明の不動産売却:不在者財産管理人とは

先述したように、不在者財産管理人を選任することでも、行方不明者の不動産を売却することができます。
ここからは、不在者財産管理人とはなにか、具体的な申し立て手順などを解説します。

不在者財産管理人とは

不在者財産管理人とは、行方不明者に代わって、財産の管理をおこなう方です。
不在者財産管理人を選任すると、共有名義で行方不明者がいる場合にも、不動産売却が可能になります。
失踪宣告のように、行方不明者の生死や申し立て期限の縛りなどもありません。

不在者財産管理人選定の流れ

まずは、不在者財産管理人の候補者を選出します。
不在者財産管理人には、行方不明者の友人や知人など、利害関係のない第三者が選任されます。
弁護士などの専門家を候補者として選ぶこともできますが、その場合は報酬の支払いが必要です。
不在者財産管理人の候補者が決まったら、不在者財産管理人選任の申し立てをおこないましょう。
申し立てができるのは、失踪宣告と同じく利害関係のある方(相続人や配偶者など)です。
申し立ては裁判所でおこない、申立書のほかに次のような書類が必要になります。

  • 行方不明者の戸籍謄本と戸籍附票
  • 不在者財産管理人候補者の戸籍附票
  • 不在の事実を証明する資料
  • 不在者の財産に関する資料
  • 利害関係を証明する資料

申し立て時には、収入印紙(800円分)と連絡用の郵便切手代などがかかります。
連絡用の郵便切手代は、申し立て先の家庭裁判所によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。

権限外行為の許可が必要

不在者財産管理人が選任されただけでは、不動産を売却できないため注意が必要です。
不動産を売却するには、家庭裁判所から「権限外行為の許可」をもらわなければなりません。
権限外行為許可の申し立てをすると、許可の承認を判断するために、事情聴取をされる可能性があります。
裁判所からの呼び出しにすぐ応じられるよう、不在者財産管理人にあらかじめ説明しておくと良いでしょう。

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まとめ

土地や建物などの不動産を売却できるのは、原則として名義人のみです。
しかし、失踪宣告を受けるまたは不在者財産管理人を選任することで、ほかの方が代理で売却できるようになります。
いずれも家庭裁判所で手続きが必要なので、必要書類や費用などを事前に確認しておくことが大切です。
墨田区の不動産売却なら「株式会社アリトス」へ。
不動産売却だけではなく、土地活用のご提案も可能です。
税理士・弁護士と連携し、スムーズにお客様の問題を解決していきますので、お気軽にお問い合わせください。

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